2019年1月から10月までの予算データ
2019年11月10日
結論
税の徴収と政府支出がユダヤ教祭日(9月30日〜10月21日)の影響を受け、10月の予算データに依然としてわずかな歪みを生じる結果となった。それにもかかわらず、会計年度も入ること10ヶ月、全体像は歴然としている。財源調整を行った後の2019年度予算で確定されたレベルに歳出がとどめられたことにより、財政赤字はGDPの3.6~3.8%と、高いレベルで安定している。一方、歳入の伸びは鈍く、弱まっていく傾向にある。
毎年会計年度末になると政府支出の急増が見られるが、目下の問題は果たして本年も12月に同じく増大するかどうか、である。そしてさらに重要なのは、機能する政府の不在が1月から財政政策を空白のままにし、予算管理を非常に困難にすることが予想される。
詳細:
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- 2019年1月から10月までの累積赤字は、376億シェケル(季節調整値は354億シェケル)となり、2018年の同期間の赤字を約50%上回った。
- 10月に締めくくられる12ヶ月間の赤字率(対GDP)は3.7%で、2019年修正目標の3.6%に沿ったものとなった。
- 歳出と歳入の間で明確な相違が生じている。GDPの観点から見た支出レベルは、2019年度一年を通じて28.5~28.9%の狭い範囲で安定している。
- しかし、GDPに対する割合としての歳入は減少傾向にあり、10月には25%を下回った。これは支出率(対GDP)がはるかに低かった2016年以来、初めての出来事である。
- 1月から10月までの政府省庁による支出は、2018年の同期間と比較して6.5%増加した。これは国防支出を増加要因とするものだが、実のところ、本年度の国防支出は0.8%減少している。なお、その他の省庁での増加率は8.5%だった。
- 総歳入は、1月から10月にかけて1.8%増加した。直接税による収入は4%、間接税による収入は2.3%それぞれ増加した。